平成23年夏期の節電対策に伴う変形労働時間制の労使協定の変更、解約について

2011/06/16

変形労働時間制をご活用されてる事業所様へ

ひらめき労働基準法第32条の4の変形労働時間制は、業務の繁閑に計画的に

対応するための制度です。このため、労使の合意があっても、対象期間の

途中で、あらかじめ定められた労働日や労働時間を変更したり、労使協定を

解約することはできません。

しかし、東日本大震災の影響により、平成23年7月から9月の間、東京電力

及び東北電力の管内で大幅な電力の需要抑制が求められていることに伴い、

両社の管内のみならず管外の地域においても、7月から9月までの期間を

対象期間に含む変形労働時間制を実施している事業所で、当初の計画通り

変形労働時間制を実施することが著しく困難となる場合も想定されます。

このため、そのような場合に限っては、変形労働時間制の途中での労働日や

労働時間の変更や、労使協定の解約も可能と解されます。

 

労使協定の変更とは?解約とは?

ひらめき労使協定の変更とは、現在、締結されている労使協定で定められている

将来の労働日や労働日ごとの労働時間などを変更することです。

変更前の期間を含めて対象期間全体で所定労働時間を1週間当たり

40時間以下にする必要があります。

※例えば、当初の計画では土日を休日としていたが、夏期は平日を変更に

 する、夏期の労働日数や労働時間を秋以降にするなど

ひらめき労使協定の解約とは、現在、締結されている労使協定を解約し、将来に向かって

その効力を失わせることです。

解約までの期間に1週間当たり40時間を超えて労働させていた場合には、

就業規則等を変更し、その超えて働かせていた時間に対しては割増賃金を支払う

(割増賃金の清算)など労使協定の解約が労働者の不利になることのないよう

留意が必要です。

 

労使協定の変更や解約が可能な事業所とは?

ひらめき労使協定の変更や解約は、今般の節電対策の実施に伴う特例として認められる

ものですので、対象となり得るのは次の@及びAに該当する事業所です。

@平成23年7月から9月までの期間を対象期間に含む変形労働時間制を

実施している事業所。

A東京電力及び東北電力の管内において電力需要抑制が求められることに伴い、

両社の管内又は管外の地域において、当初の計画通り変形労働時間制を実施する

ことが著しく困難になったため、以下のいずれかの対応をする事業所。

(1)7月から9月までの期間における労働日数や労働時間数を変えることなく、

 労働日や労働時間の配分を変更すること。

※例えば、当初の計画では土日を休日としていたが、夏期は平日を休日にする、

 平日の所定労働時間を減らし、その分、もともと出勤日である土曜日の労働時間

 を増やすなど。

(2)7月から9月までの期間における労働日数や総労働時間を当初の計画から減少

 させること。

※例えば、7月から9月までの生産活動を減少させ、減少した労働分を秋以降に

 振り替えるなど。

(3)東京電力及び東北電力の管内の事業所の生産活動の減少等を補うため、

 7月から9月までの期間における労働日数や総労働時間を当初の計画から

 増加させること。

※例えば、東京電力又は東北電力管内の事業所の生産活動の減少を補うため、

 電力需要抑制の求められない地域の事業所で、秋以降に予定していた労働分を

 7月から9月に振り替えるなど。

(4)上記以外の場合であって、東京電力及び東北電力の管内の事業所における

 節電対策の実施の影響により、7月から9月までの期間以外の期間における

 労働日数や総労働時間等を当初の計画から変更すること。

※例えば、東京電力又は東北電力の管内の事業所から供給される原材料や部品の

 減少による影響が10月以降に出るため、7月から9月の労働時間等は変更せず、

 10月以降の労働時間等を変更するなど。

 ※当初の計画通り変形労働時間制を実施することが著しく困難なため、

上記(1)から(4)のいずれかの対応をする事業所であることについて、

別紙面にて変形労働時間制の書面を労働基準監督署に提出していただく

ことが必要です。

なお、本年7月から9月までの期間における労働日等の変更を行う

(1)から(3)の対応が通常ですので、(4)の対応を行う場合は、

当初の計画通りに変形労働時間制を実施することが著しく困難となり、

7月から9月以外の期間のみの労働日数等を変更しなければならない

理由をより具体的に記載していただく必要がありますのでご注意ください。

 

労使協定の変更の場合の手続きとは?

ひらめきまず、事業所の労使でよく話し合っていただき、労使協定の変更について、

事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がある時はその労働組合、

労働者の過半数で組織する労働組合がない時は労働者の過半数を代表する者

(以下「過半数労働組合等」)との書面による協定を締結していただく必要が

あります。

ひらめき次に、変更後の労使協定を労働基準法施行規則で定める様式(協定届)により、

労働基準監督署に届け出る必要があります。

今回の労使協定の変更は、特例として認められるものですので、様式(協定届)には、

1)労使協定の変更前に既に労働が行われた期間(変更前の協定の既済期間)

2)変更前の協定の成立年月日

3)変更前の協定届の届け出年月日

を余白に追記していただき、労働基準監督署に届け出てください。

協定届の労働基準監督署への提出に併せて、事業所が今般の特例の対象と

なり得る事業所であることを記入し、添付することも必要です。

なお、労使協定の変更により、対象労働者の範囲が変更され、対象期間中の

途中から、変形労働時間制の対象となり、又は対象から外れたことにより、

変形労働時間制が適用される期間がその対象期間よりも短くなる労働者に

ついては、法第32条の4の2により賃金の清算を行う必要が生じる場合があります。

 

労使協定の解約の場合の手続などは?

ひらめきまずは、事業所の労使でよく話し合っていただき、労使協定の解約について、

過半数労働組合等と合意をしていただく必要があります。

その合意につきましては、書面にしておくことが適当です。

ひらめき労使協定の解約までの期間を平均して、1週間当たり40時間を超えて労働させた

場合には、就業規則等を変更し、その超えた時間について割増賃金を支払う

(賃金の清算)など、労使協定の解約が労働者にとって不利になることのないよう

留意することが必要です。

※なお、解約までの期間の実際の週平均労働時間が、解約された変形労働時間制の

 対象期間全体における週平均の所定労働時間を下回っていた場合に、その下回った

 時間数に応じて賃金を差し引くことは認められません。

ひらめき解約までの期間における所定労働時間が1週間当たり40時間を超える場合には、

長時間労働抑制の観点から、その超えた時間についても時間外労働に相当するものと

計算して、解約までの期間における時間外労働、解約後の期間における実際の時間外

労働との合計が、「限度基準告示(労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間

の園長の限度等に関する基準)」(平成10年労働省告示第154号)に定める限度時間

を超えることのないよう配慮することが必要です。

ひらめき労使協定を解約し、新たに労使協定を締結する場合は、労使協定に、再度、節電対策

のために協定を解約する際の清算に関する規定を盛り込むとともに、就業規則等を

変更してください。

ひらめき労使協定を解約し、新たに労使協定を締結した場合は、その新たな労使協定を

労働基準法施行規則で定める様式(協定届)によって、労働基準監督署に届け出る

必要があります。

ひらめき今回の労使協定の解約と新たな労使協定の締結は、特例として認められるものです

ので、様式(協定届)には、

1)解約までに既に労働が行われた期間(解約前の協定の既済期間)

2)解約までの期間における1週間の平均所定労働時間数(解約前協定の既済期間中

 の1週間の平均所定労働時間数)

3)解約時の賃金清算の有無

4)清算を行った日又は清算予定日

5)中途解約の場合の清算に関する規定の有無

6)解約前の協定の成立年月日

7)解約前の協定届の届出年月日

を余白に追記して、労働基準監督署に届け出る必要があります。

また、協定届の労働基準監督署への提出に併せて、事業所が今般の特例の対象

となり得る事業所であることを記入し、添付することも必要です。

 

ひらめきひらめきひらめきなお、上記のとおり、労使協定の解約については、解約前の期間の労働について、

就業規則等を変更し、清算を行うなど労使協定の解約が労働者にとって不利になる

ことのないよう留意する必要があります。

労働者に不利益が生じることを回避する観点から、可能な限り労使協定の変更で対応

することが望ましいものと思われます。

 

その他に注意する点は?

ひらめき労使協定の変更や解約により、就業規則の変更や、時間外・休日労働協定(36協定)

の締結または再締結が必要となる場合があります。

労使協定の変更や解約を行う場合には、就業規則や36協定の変更等の要否を確認し、

変更等が必要な場合は、就業規則の変更等を行うとともに、変更後の就業規則や締結

または再締結した36協定を労働基準監督署に届け出る必要があります。

ひらめき育児・介護などの家族的責任を有する労働者をはじめ、労使協定の変更や解約による

所定休日や始業・終業時刻の変更への対応が困難な個別事情を抱える労働者の方への

配慮など、労使で十分に話し合い、工夫をして、適切な対応をされるようお願いします。

 

 

 

茨城県の社会保険労務士・社労士は大谷経営労務センターです。

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