雇用対策まず1兆円  政府検討 助成金など積み増し

2011/04/12

政府は東日本大震災に対応した雇用対策で、解雇防止や失業保険などに

1兆円を投じる検討に入った。

休業者に給付する雇用調整助成金を7,000億円、

雇用保険の失業給付を3,000億円、

今年度の予算に積み増す。

財源は労働保険特別会計の積立金から捻出する。

地震や津波、企業のサプライチェーンの混乱で雇用が悪化するなか、

解雇を最大限に防ぎ、失職者の生活を支えることが急務だと判断した。

 

解雇防止へ緊急措置

月内にまとめる2011年度の第1次補正予算案の特別会計歳出に計上する。

厚生労働省によると岩手・宮城・福島の3県で被害の大きかった沿岸部で

働く人は84万人。

このほか計画停電や生産停止などで、被災地以外の企業の雇用にも大きな

影響が出ている。

売り上げが急減した企業が従業員を解雇せずに休業扱いにした場合、

国が雇用調整助成金を使って給料の7〜8割を補助する。

単純計算すると、

雇用調整助成金の積み増しにより、国は少なくとも30万人分の休業手当を

助成することになる。

平均日給に応じて従業員に1日1万4,000円の休業手当を支払う場合、

国から7,505円の助成を受ける事ができ、残りを企業が負担する。

(助成金には1人当たりに対し上限額があります)

企業が助成金を使う場合は通常、業績が3ヶ月間悪化していることが条件。

しかし厚労省は被災地については1か月に短縮、早期の助成金の活用を

可能にした。

また計画停電や部品調達の遅れで操業停止に追い込まれた企業も、

助成金が申請できるよう要件を緩めた。

解雇されたときに受け取る雇用保険の失業給付も、2兆3,000億円だった予算を

3,000億円ほど積み増す。

地震や津波の影響で失業者の増加が見込まれることから、支払い余地を大きくする。

事業再開に会社から再雇用が約束されている場合、失業給付は原則受け取れない。

ただ被災地の企業に勤務している人で離職している場合は、再雇用が見込まれる

人も失業給付を受け取れる特例を設けた。

失業給付は雇用保険に加入していた期間により90日〜360日の間で支払われる。

被災者の場合はさらに60日の延長給付が受けられるよう法改正を検討する。

今回決めた雇用対策は緊急措置で、

中長期的な雇用を創出するには地域経済全体の復興が課題になる。

政府はこれとは別に、総額4兆円程度の補正予算の一般会計に

自治体が被災者を直接、短期雇用する「重点分野雇用創造事業」の

基金の積み増しや、就業支援などの費用510億円を盛り込む。

(日本経済新聞より)